ここ数年暑い夏が続いています。
今年は梅雨明けが早く、去年と比べて暑い期間が長くなるそうです。加えて、新型コロナウイルスの影響によって外出の機会も少なく、マスクも手放せない生活。そんな中で注意したいのが、今回のテーマ『熱中症』です。
毎年5万人以上が緊急搬送されている熱中症。他人事ではなく、だれでも起こる危険性があります。これから熱中症の症状や原因、予防法、応急処置などの情報をご紹介していきたいと思います。
熱中症の症状
軽度の熱中症の場合、めまいやだるさ、気持ち悪さなどの症状が見られ、重くなるにつれて吐き気を強く感じたり、意識障害をきたしたりすることがあります。具体的な症状は、重さによって軽度、中等度、重症に分けられます。
◇軽度◇
・めまい
・立ちくらみ
・筋肉のこむら返り
・手足のしびれ
・気分不快
◇中等度◇
・頭痛
・吐き気や嘔吐
・体のだるさ
・力が入らない
◇重症◇
・高体温
・意識がない
・全身のけいれん
・呼びかけに反応しない
・真っ直ぐに歩けない、走れない
熱中症になっても、軽症のうちは体温が高くならないこともあります。ところが最初は軽症でも、放置するとあっという間に重症化することもあるため油断は禁物。『わたしは大丈夫』と思い込まず、からだの症状をよく観察しましょう!
熱中症の原因
熱中症を引き起こす条件は、『環境』と『からだ』と『行動』によるものがあげられます。
まず『環境』。
気温、湿度が高い日、日差しが強い日、風が無い日などは熱中症が起こりやすい環境といえます。
また熱中症といえば外のイメージがありますが、実際は緊急搬送された人のうち、自宅や室内で発症したという方が一番多かったそうです。
次に『からだ』。
以下に当てはまる方、当てはまるような身体の状態は要注意ですよ。
・高齢者や乳幼児、肥満の方
・糖尿病や精神疾患といった持病を持っている
・下痢やインフルエンザでの脱水状態
・二日酔いや寝不足といった体調不良
これらに当てはまる人は体温調節機能が衰えていたり未熟なことが多いため、気温・湿度が高い環境にさらされると熱中症になる確率が高いといわれています。
最後は『行動』。
激しい筋肉運動や慣れない運動、長時間の屋外作業や水分補給が出来ない状態が続くと、熱中症を引き起こす危険があります。
熱中症の予防
①水分をこまめに摂ろう
体温の上昇や発汗により失われた水分を補給することは何より大切なこと。こまめに水分補給を行いましょう。
水分補給時の「何をどれくらい」が意外と重要なんです。普段から水分補給をするだけなら水や麦茶などでOK。冷えすぎている水は胃の働きを悪くしたり、腸を刺激して下痢の原因にも。冷やしすぎに注意し、汗をかいていなければ塩分や糖分が含まれているスポーツ飲料などを意識的に摂取する必要もありません。
②塩分を程よく摂ろう
発汗は水分だけでなく体内のミネラルや塩分も失われます。多量の汗をかいた場合は、水分だけでなく塩分もあわせて摂りましょう。スポーツ飲料は水分補給と同時に塩分・糖分も摂取できるので運動時はオススメ☻
だからといって、塩分の過剰摂取は高血圧や胃がんなどの別の病気のリスクを高めますので、水分と同様に摂り過ぎに注意です。
水分補給の際に気を付けてほしいのが、「低ナトリウム血症」。大量に汗をかいたり、水分を必要以上に摂り過ぎたりなどして体内の塩分量が不足することで引き起こされる症状のことです。
健康な人であれば日常生活において、低ナトリウム血症になることはあまり無いと考えられますが、マラソンなどの運動をする際は注意が必要です。
③十分な睡眠をとり、丈夫なからだをつくろう
通気性や吸水性の良い寝具をつかったり、エアコンや扇風機を適度に使用し睡眠環境を整え、ぐっすり眠って睡眠と疲れを取ってください。寝ている間の熱中症を防ぐと同時に、しっかり眠ることで翌日の熱中症を予防しましょう。
また、日々バランスの良い食事を摂り体調管理をすることで、熱中症にかかりにくいからだづくりを意識しましょう!
熱中症かも!応急処置は?
「もしかして熱中症かも?」と感じたらすぐに応急処置を行い、病院などの医療機関へ連れていきましょう。簡単なことばかりですので、覚えておくといざというとき役に立ちます!
ポイントは身体を冷やすこと・水分と塩分の補給になります。
屋外の場合は風通りのよい日かげに移動し安静にしましょう。次に首筋、脇の下、足の付け根など動脈が通っている箇所を冷やします。これらを冷やすことにより、全身の冷却および体温を低下させることが可能となります。
おう吐の症状が出ていたり意識がないといった状態以外は、出来れば水分と塩分を同時に補給できる、スポーツドリンクなどを飲ませましょう。
熱中症は命に関わる症状です。無理をせず、すぐに医療機関へ相談、または救急車を呼んでください。
熱中症予防×新しい生活様式
新型コロナウイルスの感染防止の3つの基本であるうちの1つ『マスクの着用』。 マスクを着用していることにより、体内に熱がこもりやすくなり、例年以上に、熱中症のリスクが高くなっています。
・気温や湿度の高い中でのマスク着用は要注意
・屋外で人と十分な距離(2メートル以上)を確保できる場合には、マスクを外す
・マスクを着用している時の負荷のかかる運動や作業は避ける
・のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を
時と場合に応じて「マスクを外す」という選択肢も、暑い時期は大事ですね。わたしたちはwithコロナとして2度目の夏を迎えました。
熱中症対策と感染症予防を正しく両立させ、工夫しながら夏を乗り切りましょう!